通信制高校から難関大学への進学は
難しいのでしょうか?
CHECK①
通信制高校から大学進学・大学受験は難しいのでしょうか?
結論からお話ししますと、通信制高校の中には、大学進学に特化したサポート校*があって、その中には難関大学への合格者をコンスタントに輩出している学校があります。通信制高校は、全日制高校・定時制高校とは異なり、毎日学校へ登校する必要はありません(スクーリングという教科ごとに定められた通学期間はある)。その名の通り、レポートや単位認定試験を郵送やネット通信で行うことによって高卒資格を取得します。この通信制の特長を最大限に活用した様々な通信制高校・サポート校が、社会の変化や子どもたちのニーズに合わせて続々と開校しています。
通信制高校に通う生徒さんたちは、不登校の経験や何らかの事情で全日制高校への進学を断念した人や、起立性調節障害などで全日制高校には通いづらい人などさまざまです。中には、目的を持って通信制高校・サポート校を選択し、プログラミング・スポーツ・芸術活動・芸能活動等に専念しながら高校を卒業し、次のステップに進んでいく人や、大学進学に特化した学校を選んで、“効率の良い大学進学への道”として通信制高校・サポート校を選択する人も増えてきました。
*サポート校:通信制高校のサポート校は、通信課程の教科補習を提供する場。
CHECK②
大学進学率で見ると、通信制高校からの大学進学は大丈夫でしょうか?
大学進学率 | 専修学校 進学率 |
その他 | |
---|---|---|---|
全日制高校 | 59.50% | 16.80% | 23.70% |
通信制高校 | 23.10% | 23.80% | 53.10% |
本校 ※R5卒生 |
89.50% | 0% | 10.50% |
上の表は、文部科学省の「学校基本調査(令和4年度)」です。通信制高校の大学進学率は全日制高校の約半分です。これだけで見ると、「通信制高校では大学進学が難しいのでは?」と感じるかもしれません。ただし、教育支援体制を充実させた通信制高校や、そのサポート校が多数開校されることによって、卒業率・進学率は年々上昇しています。
一方、大学入試の現状はというと、一般入試の倍率が1倍以下の大学・学部が多数存在し、中には一般入試以外の推薦入試(学校推薦型選抜・総合型選抜)による入学者が入学定員の大半を占めている大学もあります。つまり大学進学は、入学すること自体はハードルが下がっている状況にあります。そのような中にあって、大学進学を希望される方の通信制高校選びは、全日制高校と同様に、進学率だけでなく、行きたい大学への合格実績の有無と、その学習カリキュラム・指導体制で判断するのが良いでしょう。
CHECK③
大学進学の際に通信制高校だと合否に関係しませんか?
通信制高校が大学進学に不利だということはありません。高校には、全日制高校・定時制高校、そして通信制高校があります。大学入試の出願に際して、在籍・卒業学校名は必ず明記しなければなりませんが、その種別を記入しなければならない大学はありません。
“高校は未来の通過点”と考えれば、その後の大学進学・専門学校進学・海外留学・就職等の通過点として、出身校が通信制高校ということで、全日制高校等と比較して不利に働くことはありません。
CHECK④
大学進学を希望する人のための通信制高校の選び方は?
大学進学コースを設置する通信制高校は数多くありますが、全日制高校の受験案内のように、その成果(大学進学実績)を比較相対して一覧で検討できるデータがありません。通信制高校からの進学実績を調べるには、各校の公式サイトの大学進学情報に頼らざる得ない状況です。そのような現状から、自分に合った大学進学のための通信制高校を選ぶためには、以下の点を参考にしてみてください。
・志望大学の合格実績があるのか?
自分が行きたい大学や人気のある大学の合格実績があるかどうかを確認しましょう。そしてさらに、合格体験記の内容もチェックしてみましょう。丁寧な学校では、その生徒さんが、新入生として高校1年から3年間在籍していたのか、あるいは、2・3年の途中で転入したのかを記してあります。
・自分の目標達成のためのカリキュラムは用意されているのか?
志望大学・受験科目が明確になっている場合は、その科目にフォーカスしたカリキュラムが組めるかどうか、また、現状の学力分析とゴールまでのプロセスの参考事例等を確認するとよいでしょう。
・自習室、自宅学習のサポートは?
志望大学合格のためのカリキュラムがあっても、計画通りに実行するためには、その環境が大切です。大学進学に特化しているのであれば、その一つとして自習室の存在は欠かせません。また、中には質問ができる自習室をもつサポート校もあります。
・先生たちの実力は?
全日制・通信制を問わず全国の高等学校の先生たちの全てが、難関大学や人気のある大学に進学させる力があるわけではありません。難関大学・人気大学への進学指導に秀でている先生は、自ずと進学校に勤務していることを踏まえれば、大学進学に特化した通信制高校といえども、その教師陣の質が重要となります。大学受験の塾・予備校のように教師陣のプロフィールが紹介されている通信制サポート校もあります。
難関大合格者を輩出し続けている訳は?
プラドアカデミー高等学院
倉沢学院長へ聞く!
定員100名とは小規模ですね。何か理由があるのですか?
単純に、本校の教師陣の人数で定員数は決まってしまうのです。本校の授業は、大学受験のプロ教師と生徒との1対1完全個別指導なので、責任を持って指導できる生徒数が自ずと限定されてしまうのです。現状では、通学生とオンライン生を合わせて定員100名となっています。
入学試験があるのでしょうか?
本校に入学試験はありません。学力で入学を判断することはありません。大学に進学したいという意思さえあればだれでも入学できます。目標とする大学が決まっていなくても構いません。入学にあたっては、保護者様と同席の上で面接を行っています。成績表等の提出も不要です。他校からの転入生の場合も同様です。その代わり、定員になり次第締め切りとさせていただいています。
早速本題ですが、難関大学・人気大学の合格者はどれくらいいるのか聞かせてください。
昨年の卒業生のうち89.5%の生徒が現役で大学進学を果たしました。主な内訳は、難関国立大学・早稲田大学・慶応大学への進学者が20%、マーチ(明治・青学・立教・中央・法政)とそれに準ずる大学への進学者が25%、日東駒専(日大・東洋・駒沢・専修)とそれに準ずる大学への進学者が25%、その他の大学進学者が10%、大学受験浪人が10%です。今年もみんな最後まで頑張りました。
カリキュラムに何か特徴があるのでしょうか?
本校のカリキュラムは2つあります。1つは、高校卒業のためのカリキュラム、2つ目は大学進学のためのカリキュラムです。この2つのカリキュラムを生徒一人ひとりに作成します。もちろん中心となるのは大学進学のためのカリキュラムです。
これは、志望大学の入試科目に特化したカリキュラムになります。なるべく早期に大学受験科目を決めて受験の準備をスタートさせます。一方、高校卒業のためのカリキュラムは、生徒たちの負担を軽減したものにしています。提携している通信制高校には、教科ごとに難易度別のカリキュラムが用意されているので、それを一人ひとりにカスタマイズしています。
カリキュラムを生徒一人ひとりに作成するのは大変ですね。
大学進学カリキュラムは生徒の現状の学力と志望大学に応じて作成しなければ意味がありません。だから、一人ひとりに作成します。特に英語や数学は、中学生の学習内容まで立ち返ってスタートさせる生徒が多くいます。遠回りのようですけれども、学力向上には、「できない・わからない」ことに向きあう姿勢が大切です。そのための基礎力作りは、遠回りのようで一番の近道です。
授業は全て個別指導ですか?
大学受験に必要となる科目は、完全1対1の個別指導で、科目ごとに担任教師が担当します。3年間同じ先生が担当するケースもありますし、時には、「先生とのフィーリングが合わない」という理由で交代するケースもあります。状況を見ながら、先生の交代も視野に入れて柔軟に対応します。
高校卒業の為に習得しなければならないその他の科目に関しては、生徒からの質問を受け付けながらレポートを仕上げるレポート対策授業があります。
生徒たちは塾や予備校にも通っているのですか?
約1/3の生徒が塾に通っています。実は、本校には、放課後にオンラインで質問できる自習室をがあります(昨年開講)。これは、本校が開発したオンライン自習室で、自習室に待機している教師陣と1対1で質問できる自習室となっています。また、日曜・祝日も利用でき、生徒は無料で使い放題なので、今後の活用と成果に期待しています。