オリエンテーション
5月27日(金)、待ちに待ったオリエンテーション(Orientation in Gunma)に行ってきました。昨年、一昨年とコロナのために実施できなかったオリエンテーションですが、今年度は無事に実施出来たことに大きな喜びを感じています。
当日は雨の予報で、実際に集合場所の池袋は本降りでした。高速道路を走るバスのフロントガラスには激しい雨が打ち付け、「絶対に着いたら雨は止んでるし、晴れるから信じて!」と話す私も内心はちょっぴり心配でした。
しかーし、やはり最初の見学地「ガトーフェスタハラダ」に到着した時には雨もあがり、次に向かった富岡製糸場がある富岡市は初夏の陽射しを感じるくらいの快晴になっていました。
流石だね、、、私。いや、我が校の生徒と先生方の日頃の行いの結果だと思っています。
さて、2年間実施出来なかったオリエンテーションですが、鈴木先生のバスレクは衰え知らずで、生徒たちも寝ている暇はありません。
今回は、コロナ対策としてバス車内では会話を控え、飲食も禁止というこで、つまらないバスの移動になってしまうのではないかと思った生徒も多かったと思いますが、バスレクは声を出さなくても出来るのです。
誰一人として話をしなかったらそれは不可能ですが、一人が話すことが出来ればバスレクは成り立ちます。
「人数を当てろゲーム」や「〇✖ゲーム」、それに事前に実施した参加者へのアンケートを参考にしたクイズ「正解は何番?」、そして「ビンゴ」や「プラドアカデミー高等学院クイズ王決定戦」など、盛り沢山のバスレクでした。
バスレクのねらいは、バスに乗っている時間を楽しく過ごすということだけではありません。参加者の身体や心の負担を軽減させることもねらいの1つですし、目的地へのスムーズな導入に繋げる意味もあります。そして、我が校のバスレクのねらいがもう1つあります。それは、バスレクのクイズを通して生徒や先生のことを知ってもらうねらいです。そこから生徒相互、そして生徒と教師の交流が生まれ、人間関係を深め信頼関係の構築が図られていきます。
生徒の感想の中には、バスレクのことが多く書かれていました。今後もこのようなバスレクが出来るように頑張っていきたいと思います。
さてさて、最初の見学地は群馬県高崎市にあるガトーフェスタハラダさんでした。本社工場は、「シャトー・デ・エスポワール」(希望の館)と言います。
大雨の中を走行してきましたが、こちらに着くと雨は上がっていました。素敵な社屋の庭で集合写真を撮らせていただきましたが、芝生には大雨の爪痕がしっかりと残っていました。
受付後に4階に上がり、ガラス越しにラスクの製造工程を見学しました。製造している様子や機械等は撮影禁止です。その後、「グーテ・デ・ロワブリュレ」の試食をしました。グーテ・デ・ロワブリュレは市販されていない見学限定品で、ラスクになる前のフランスパンに砂糖をかけ、手渡す直前にバーナーで炙ったものです。硬いラスクとはまた違った美味しさがあります。ここでは、コーヒーや紅茶などの飲み物が無料でいただけますので、外の景色を見ながらティータイム気分に浸れます。
4階の見学を終えると3階に移動します。3階では、主にラスクを包装している工程が見学できます。
工場見学後には、工場のお隣にある直営店舗でお買い物をしました。
生徒たちは、短い時間でしたがたくさんお土産を買っていました。
ガトーフェスタハラダを後にして向かった先は、富岡市の萬屋料理店です。こちらで昼食をいただき、徒歩5分の富岡製糸場に行きました。
萬屋料理店は、大正元年創業の老舗割烹料理店です。大正元年は1912年ですので、創業してから110年になる料理店ということになりますね。
私たちは2階のお座敷で、松花堂弁当をいただきました。刺身こんにゃくや白滝煮など地元農産物を使用した美味しいお料理をいただきながら、ゆっくり寛ぐことが出来ました。
萬屋料理店から徒歩5分で富岡製糸場に着きました。富岡製糸場では2つのグループに分かれ、それぞれガイドさんに案内していただきました。40分程のガイドツアーでしたが、陽射しが強く日陰が恋しくなりました。
富岡製糸場は2014年6月にユネスコの世界文化遺産に登録されました。明治5年(1872年…萬屋料理店が創業する40年前ですね)に建てられ、日本の近代化の礎を築いた絹産業の原点と言えます。 1987年(昭和62年)まで実際に稼働していたというのが凄いですね。開業から100年以上稼働していたら、新工場建設とか建て替えとかあっても良いと思うのですが、富岡製糸場は初期の建物がそのまま残っていて、第二次世界大戦の空襲にも合わなかったのが奇跡だと思います。
生徒たちは、煉瓦の話、ガラスの話、建物の話、そして糸の作り方やそこで働いていた女工さんたちの話など、ガイドさんが説明する話に真剣に耳を傾けていました。
富岡製糸場を後にした私たちは、「こんにゃくパーク」そして4月21日にオープンしたばかりの「めんたいパークぐんま」に行きました。
どちらのパークでも、工場見学をし、色んな体験をし、お買い物をしました。
こんにゃくパークでは、「こんにゃくバイキング」を楽しみました。好きなだけ食べられますが、昼食後なのでそんなに入らないかと思いきや、山盛りに色んなこんにゃくメニューをお盆に載せ運ぶ生徒。そして、お代わりする生徒。そんな姿に思わず笑みがこぼれます。また、足湯に浸かった生徒もいたり、こんにゃく詰め放題に挑戦した生徒もいたりと楽しい時間を過ごすことが出来たようです。
めんたいパークで生徒たちが楽しんでいたのは、ゲームです。
「タラピヨサーキット」とか、、、いろんなゲームがあって、生徒たちはハマっていました(笑)。
明太子の老舗かねふくは、昭和47年(1972年…富岡製糸場が建てられたほぼ100年後)に設立され、めんたいパークは茨城県大洗町・愛知県常滑市・兵庫県神戸市・静岡県四方郡・滋賀県野洲市・群馬県甘楽郡と全国に6ヵ所あります。最初のめんたいパークは大洗で平成21年にオープンしています。
今回訪れた富岡製糸場で、ガイドさんが蚕や繭を見せてくださいましたが、生徒の中には、小学生の時に蚕を学校で育てていたという生徒もいれば、初めて蚕という存在を知ったという生徒、繭の中の蛾を見て青ざめたという生徒もいました。いつも思うことですが、生徒たちには、世の中の様々な生き物・物体・建物・人物、、、そして職業等々、1つでも多くのことを見て・聞いて・知ってほしいと思います。
今回のオリエンテーションでも生徒たちは、「美味しいお菓子の衛生管理はどのようになっているのか」「蚕ってどんな昆虫なのか」「繭って中はどうなってるのか」「こんにゃく芋からどのような工程でこんにゃくが作られるのか」「スケトウダラの卵からどのような工程で明太子が作られるのか」等々いくつものことを学びましたが、もっともっとたくさん知ってほしいし、学んでほしいし、教えてあげたいと思っています。
今後もこのような機会を大切にしていきたいと思います。
<お世話になった方>
トラベルオンデマンド株式会社 東京バス
http://www.tokyobus.jp/tod/
〒114-0023 東京都北区滝野川5-53-1
TEL 03-3910-6500
ガトーフェスタハラダ
http://www.gateaufesta-harada.com/
群馬県高崎市新町1207
TEL 0120-060-137
萬屋料理店
http://yorozuya623321.zashiki.com/
群馬県富岡市富岡1045
TEL 0274-62-3321
富岡製糸場
http://www.tomioka-silk.jp/tomioka-silk-mill/visit/
群馬県富岡市富岡1-1
TEL 0274-67-0088
こんにゃくパーク
https://konnyaku-park.com/
群馬県甘楽郡甘楽町大字小畑161-1
TEL 0274-60-4100
めんたいパーク
https://mentai-park.com/gunma/
群馬県甘楽郡甘楽町金井676-2
TEL 0274-67-7415
生徒の感想
H.Nさん
オリエンテーションを終えて私が思ったことは、まず私は昔から早起きが大の苦手なので、アラームを8個掛けて頑張って起きたことが今思うと凄く頑張ったなと思ったのと、アラームは普段5個までしか付けないのでどこも面白い要素はありませんが、なんだか笑えてきました。バスの中ではバス酔いと睡魔と戦いながら鈴木先生のクイズを真面目に取り組んでいました。鈴木先生はずっと元気だったので、何だかこっちまで明るい気持ちになりました。
工場などの体験で私が一番思い出に残ったのは、富岡製糸場とめんたいパークです。富岡製糸場では、繭を作るために建物の窓なども工夫されて設計されていたので、色々工夫されていて、考えた人は凄く頭が良いなと思いました。私は最初、繭の中に入っている虫が何の虫か知らなかったので、聞いた時はとても驚きました。なぜかというと、私が世界一苦手な虫が蛾だからです。繭の中に入っている状態の蛾を見せられた時は青ざめていましたが、とても勉強になったり、貴重な体験が出来たので良かったです。
めんたいパークで思い出に残ったのは、工場なのに明太子のマスコットキャラクターや工場の中が可愛くて、気分が上がっていたことです。見学中、ミニゲームなどもあったので、とても楽しかったです。皆がアイスクリームを食べていた時、明太子の歌がずっとリピートして流れていたので、その日は洗脳されたようにずっと頭の中に明太子の歌が流れていました。
色々ありましたが、思い出に残る日になったので、行って良かったなと思いました。
S.Wくん
東京に出て来てから二日で群馬に遠足というすごいスケジュールでしたが、楽しめました。バスレクでは、休むことなくクイズやビンゴが行われ、鈴木先生に寝かせてもらえませんでした。その結果、いつの間にか「クイズ王」になり、景品と賞状をもらいました。バスレクのおかげで、周りの子とも話し易かったですし、交流の場として、とても良かったです。群馬に行って、なぜか静岡を思い出し、ちょっとだけ寂しさも感じました。
富岡製糸場では、ずっと立っていたので疲れて、全くガイドさんの話を聞いていませんでした。こんにゃくパークでは、Sくんと二人でこんにゃく詰め放題をどれくらい得に出来るかということで、頑張って400g×10袋で4㎏分のこんにゃくを500円で取れました。めっちゃ得した気分でしたが、重すぎて持ち帰るのが本当に大変でした。また、消費するのも大変で、肉じゃがとか甘辛煮とかを作ったのに、まだ7袋も残っていて、使いきれるか不安です。めんたいパークでは、内陸の群馬でどうやってスケソウダラをとってるんやろっという疑問は残りましたが、バニラアイスが美味しかったのでそれで良きです。
たった一日で沢山の人と話し、沢山楽しめたので良かったです。
今回のオリエンテーションで話しかけてくれた人たちには、本当に救われたので、自分も新入生にそういうことが出来るように頑張りたいです。また、まだ話せていない人も多くいるので、みんなと仲良くするために話しかけたいなと思います。
H.Hくん
オリエンテーションは入学以来ずっと楽しみにしていた行事でした。そのため、前日の夜はなかなか寝付けず、少し寝不足気味で参加することになり、バスの中で寝てしまわないか心配でしたが、バスレクのおかげでとても楽しく過ごすことが出来、全く眠くなりませんでした。
昼食後に訪れた世界遺産の富岡製糸場では、ガイドの方の説明によって、コンクリートが入手困難であったために煉瓦の目地を漆喰で代用したことや煉瓦に刻印されている小さな印など、ただ見ているだけでは気付かないようなことを知ることが出来ました。説明の中でも特に興味深かったのは、当時の労働環境についての話です。そこで働く女工の労働時間は一日8時間程度で、日曜祝日に休みが与えられていたことには驚きました。世界に先駆けて産業革命が始まったイギリスでさえ、劣悪な労働環境の改善を歌える労働運動が可能となるのは1820年代以降のことで、1872年設立の富岡製糸場は技術と労働環境の両面で世界的にも先進的なものであったことがうかがえました。
また、今回のオリエンテーションでは、バスレクの企画で先生や他の生徒の意外な一面を知ることができ、また普段話す機会のない生徒とも話すことが出来たため、教室での皆の距離が一層縮まったような気がします。
新型コロナウイルスの影響でオリエンテーションは中止が続いていましたが、最終学年でとても良い思い出を作ることが出来ました。先生方は例年以上に気を遣うことも多かったのではないかと思います。そのような状況下でも実行してくださったことに心から感謝申し上げます。