東京ペンシルラボ見学

「文房具と言えば?」と聞かれたら、多くの人が最初に「鉛筆」と答えるのではないかと思われる文房具の頂点に君臨する「鉛筆」。見たことがないような文房具が次々と出てくる現在ではありますが、鉛筆は誰もが字を習い始めた時から使うもので、途中からシャーペンに乗り換える人は多くとも、鉛筆愛好者も多いですね。そんな鉛筆を作る工場(北星鉛筆・東京ペンシルラボ)に9月11日、見学に行ってきました。京成電鉄の四つ木駅から徒歩5分ほどで到着します。門には鉛筆のモニュメントがあり、壁には鉛筆の絵が描かれています。工場に近づくと、鉛筆のにおいがしました。

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北星鉛筆株式会社は昭和26年設立の鉛筆製造会社です。社長の杉谷和俊さんのご先祖は、徳川幕府に書記(祐筆)としてつかえており、また徳川幕府解体後は、屯田兵として北海道に渡り、鉛筆の板「スラット」を製造する会社を設立して全国に販売していました。そしてこれから大量に鉛筆が必要な時代になると察知し、鉛筆の板材の製造を始めたそうです。その後、関東大震災で経営の行き詰った鉛筆製造会社を引き継ぎ、現在の地に会社を設立しました。そして今、いろいろな商品を考え、開発していらっしゃるようです。

 

まずはえんぴつ資料館にて鉛筆の製造工程についてのビデオを視聴しました。dscn4140

鉛筆の芯は黒鉛と粘土を混ぜ合わせた後に高温で焼いて、さらにその後油を浸み込ませます。そうすることで滑らかな書き味の鉛筆になるそうです。また、社長の杉谷和利さんにいろいろなお話をしていただきました。徳川家康が最初に鉛筆を使ったことや、様々なアイデアを出して商品を作り出したこと。廃棄されるおがくずをどうしたらよいのか考え、乾くと木になる粘土「もくねんさん」を作ったこと。「大人の鉛筆」という商品を作り、それに関連する商品を作り出していったこと。ユーモアを交えながらお話しされる杉谷さんからは製品に対する熱意や愛情を感じました。

 

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dscn4165鉛筆資料館で鉛筆の作り方のビデオを鑑賞した後、工場内を見学しました。鉛筆がどんどんできる様子は圧巻でした。なんと一日に約十五万本の鉛筆ができているらしいですよ。社員の方々も真剣に作業に取り組んでおり、自分の仕事に誇りをもって働いていらっしゃるようでした。img_1998

 

 

 

 

 

 

 

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工場見学の後、見学では見きれなかった細かい箇所の作業をビデオで見せてもらいました。そして杉谷さんから「考え続ける事が大切」、「自分のルーツを知る」、「人生は開拓するもの」という熱いお話をしていただきました。「人は考えたものは実現できる、だから考え続ける。人の気持ちも考え続ける」というお話に生徒も先生も熱心に耳を傾けていました。

 

 

 

また、北星鉛筆では物の大切さや、物に対する感謝の気持ちをはぐくむ行動の一環として、「鉛筆の供養」を実施しています。鉛筆地蔵に短くなった鉛筆を入れ、その鉛筆を焼いた後に「鉛筆の道」と書かれたモニュメントの中に入れられ、鉛筆神社にて感謝の気持ちと共に供養されます。鉛筆地蔵に短くなった鉛筆を5本入れるとオリジナル鉛筆と交換してもらえるということで、生徒も先生も家から短い鉛筆を持ってきて供養していただいていました。

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鉛筆という身近なものの製造工程を見学し、杉谷さんの話を聞いて、実際に生徒たちは様々な感想を持ったようです。「ものを大切にすること」はもちろんのこと、「自分のルーツを考えよう」と新たに思った生徒、「人生は開拓するものだ」という言葉を忘れずにいこうと思った生徒。「相手の気持ちを考え続ける」ということばに感銘を受けた生徒もいます。製品として世に出ているものは「人が考えたから生まれたもの」ということを再認識しました。

今回お世話になった方

北星鉛筆株式会社

〒124-0011
東京都葛飾区四つ木 1-23-11
TEL:03-3693-0777

生徒の感想

K.Aくん
そもそも芯の濃さ以外に文具にはそれほどこだわりのない自分が鉛筆工場に行っても楽しめるのだろうかという疑問が当初あった。
しかし実際に行ってみると、そこに並んでいたのはどこかで見たことのあるヒット商品ばかりであった。
こういったことができるのも、社長自ら使用者の立場になってどうすれば不便な点を解消できるかや、需要に合ったものを作れるかを考えていったからだという。私が感心したのは組織のトップが率先して行動を起こすという点である。
今思い返してみると見学の7割くらいは商品の宣伝だった気もするが、そういうところも社長の商売人としての優秀さの表れなのかもしれない。

 

Y.Aさん
今日の総合学習プログラムでは北星鉛筆の工場の見学に行きました。
まず工場で鉛筆を作っているところを分かりやすくまとめたVTRを見た後北星鉛筆の社長の色々なお話を聞きました。この北星鉛筆は「大人の鉛筆」や鉛筆を作るときにでるおがくずを再利用した乾くと木になる「もくねんさん」という粘土を作った会社で、これらを作ろうと思った経緯やほかの個性的な商品の誕生秘話を話してくださいました。
話を聞いた後は工場見学をしました。工場では1日に10万本も作っているそうです。そして鉛筆の作り方は200年前から変わっていないそうです。
最後に社長さんはみんなに「考えることを続ける」ことが大切だと話してくださいました。
私は工場見学に行ってたくさんのことを学びました。社長さんの話もとてもためになりました。今回体験したことを忘れないようにしたいと思います。

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