カナダ大使館ガイドツアー
12月10日(火)、総合学習プログラムの国際理解教育の一環として、カナダ大使館に行ってきました。普段なかなか入ることが出来ない大使館で異国体験をすることが出来たと思います。
カナダ大使館では、大使館職員の方に大使館の公共施設をガイド付きで案内していただき、カナダについて色々なことを学ぶことができました。
カナダ大使館見学に際しては、大使館より提供された事前学習資料を参考に個別に「カナダ」や「カナダと日本」について事前学習を行いました。
カナダという国を知らない人はいませんが、「カナダの公用語は?」「カナダの州はいくつあって、人口の一番多い州は?」「カナダの首相は?」「カナダの都市を5つあげてください」なんて質問されるとすぐに返答できる人はあまり多くないかもしれませんね。
カナダという国名同様にみなに知られているのが、カナダの国旗なのではないでしょうか。
今回の大使館見学で一番最初に大使館職員の方からお話があったのは、カナダの紋章についてでした。イギリスの国旗を掲げたライオンとブルボン調のフランス国旗を掲げたユニコーンが盾を支えています。
盾の上にもライオンがいますが、よく見るとライオンがカナダを象徴するカエデの葉を持っています。
盾の中の紋章は5つからなっていて、左上には3頭のライオン(イングランドの国章)、右上には縦のライオン(スコットランドの国章)、左下は楽器のハープ(アイルランドの国章)、右下はアイリス(フランス王朝の紋章)、そしてその下にカナダを象徴するサトウカエデの葉があります。
カナダには13の州があり、それぞれの州の旗には縦のライオンや3頭のライオンが記してあります。それによって、その州の言語がわかるようになっています。
カナダという国は面積が広い国ですね。世界一面積が広い国はロシアですが、カナダはそれに次ぐ面積を持つ国です。
面積で言えば、日本の26倍の広さになります。しかし、人口は日本の約4分の1です。あまりに広い国なので国単位で物事をまとめるのは難しく13の州ごとに色々なきまりがあるとの説明でした。ちなみに首都オタワがあり、一番人口の多い州はオンタリオ州、一番面積が広い州はヌナブト準州です。
カナダの紋章の説明の後は、カナダガーデンを案内していただきました。生憎の天気でしたので、館内からの見学となりました。
カナダ大使館への直行エスカレーターを上がりきったところでお迎えしてくれたブロンズの作品は『砕ける波』という作品で、大西洋沿岸の岸壁に砕ける波を表しており、そこからカナダガーデンがスタートします。
カナダガーデンに敷き詰められた石や岩は、大西洋から前カンブリア期の楯状地、北極、太平原、ロッキー山脈を通って太平洋に達する広大な大陸をデザインしているのだそうです。そして、その先にあったのは、枯山水式の日本庭園でした。
カナダガーデンを見学した後には、地下2階にあるE・H・ノーマン図書館、オスカー・ピーターソンシアター、高円宮記念ギャラリーを見学しました。
高円宮記念ギャラリーでは、版画の展覧会が開催されていましたので鑑賞しました。
どうみても写真にしか見えない版画に生徒たちはみな目を凝らしていました。
最後に図書館で質疑応答が行われました。
生徒たちが事前学習で用意した質問に大使館職員の方が答えてくれました。
質問1
永住するための条件にはどのようなものがありますか?
生徒達がそれぞれに思う条件を発言しました。
「犯罪歴がないこと」
「カナダに行ったことがあること」
「カナダの人と結婚する」
「ある程度の年収がある」
回答
みなさんが答えてくれたものはみな一つの条件となると思います。
カナダの永住権はポイント制になっていて、既定の点数を満たせば個人で移住申請ができます。みなさんの意見に加えると、専門技能を発揮できる人とかカナダで事業を経営したい人などもカナダが望んでいます。
質問2
カナダは小学校から大学まで行くと、どのくらいの学費がかかりますか?
回答
カナダはほとんどが公立の学校で、私立の学校はほとんどありません。
小中学校はほぼ無料です。
大学は、年額50万円前後だと思います。
質問3
政界でも問題になっている失業率は、日本と比べてどうですか?
回答
日本の失業率は4%ですが、カナダの失業率は6%くらいです。
失業率は9%くらいあったものを頑張って6%くらいになったのです。
質問4
カナダの鉄道やガス、水道、電気などはどのようになっていますか?
回答
カナダは広い国なので国で統一するのは難しく、州ごとに規定を作っています。
今回のカナダ大使館見学を通して、生徒たちがカナダをはじめとする世界の国々に関心を抱き、世界に目を向け、将来積極的に世界と関わっていこうとする意欲を持ってくれることを願います。
最後にお土産にカナダのピンバッジを頂きました。
今回お世話になった方
- カナダ大使館
- 〒107-0052 東京都港区赤坂7-3-38
TEL 03-5412-6200
生徒の感想
T・A くん
カナダ大使館に行き、知らなかったことをたくさん学びました。
まず、カナダの公用語は、英語とフランス語だということです。アメリカが近いので、英語だと思っていましたが、1つの州でのみフランス語が話されているようです。
次に、多文化社会だということです。カナダは多くの移住者を受け入れており、5分の2以上が移住者です。一目でカナダ人かわからないそうです。。とても驚きました。
次に、日本と同じ立憲君主制だということです。日本は天皇、またカナダは英国女王エリザベス女王となっています。二人とも、国、国民の象徴であり、政治的権力はありません。政治機構が同じで親近感を抱きました。
この学習を通して、カナダのことをよく知ることができました。これを機会に、外国について関心を持ち、積極的に学んでいきたいです。