第1回 『almostは「ほとんど~」ではない!?』

皆さんは、この単語を「ほとんど~」という訳語で覚えているのではないでしょうか。では、次の英文を訳してみてください。

I almost forgot.
They almost died.

簡単ですよね。

I almost forgot. は、「私はほとんど忘れてしまった」 受験時代にはあんなにたくさんのことを覚えたのに!
They almost died. は、「彼らはほとんど死んでしまった」 あと2日早く救助に来てくれていたら、もっとたくさんの命が救われていたのに…。

実は、上記の訳は×です。正解は、

I almost forgot. 「私はもう少しで忘れるところだった」
They almost died. 「彼らはもう少しで死ぬところだった、死にかけた」

なぜでしょうか?

それは、almostを「ほとんど~」と覚えていることに問題があります。確かに、「ほとんど~」と訳して問題のないケースも多いのですが、その訳語は、本質からすると、少し外れ兼ねない微妙な部分があります。

almostは、「その状態に近いが、そうではない、やや足りない」というのがコアです。訳語を当てるのなら、「もう少しで~(するところ)」のほうが、柔軟に対応できます。

I almost forgot. 「私はもう少しで忘れるところだった」つまり、忘れてはいないのです。
They almost died. 「彼らはもう少しで死ぬところだった」つまり、死んではいないのです。勝手に、殺さないでくださいね。(笑)

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